ガッツです。

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「おっす!オレ様ガッツ。」

「小耳に挟んだんだが、蕨川のやつが猫カフェってところに行ってきたらしい。

足が短い子、イケメンな子、可愛い子、色々いてすごく楽しかったらしい。

『癒された』って言ってた。

ここに来ればオレ様がいるのに、お金を払って行くなんてバカな奴だ!」

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「ん?でも、待てよ、本当は『癒され不足』だったのか?

いや、でも、オレ様は知っている。

ほぼ毎日、オレ様と喧嘩しながらする歯磨きも蕨川にとっては楽しいはずだ!

オレ様がご飯を食べている時も、寝ている時も、ただ座っているだけでも

蕨川にとっては『癒し』になっているはずだ!

その証拠に、オレ様を抱っこしてくれるし、頭を撫でてくれる、話しかけてくれる。

こんなオレ様を毎日毎日、蕨川は「可愛い」と言ってくれる。

ちょっと、いや、だいぶ鬱陶しいときも多々あるんだが、ただいるだけでいいらしい。」

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「オレの性格上、手荒くはなってしまうが、

仕方ないから、これからもオレ様なりの『癒し』ってやつを提供してやるよ!」

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「ところで今オレは、全集中して父ちゃんが迎えに来るのを待ってる。

『どこにいるの?』って聞かれたけど、ここは手術室。歯磨きが終われば

だいたいここに居て、静かに一人息を潜め、父ちゃんの声が掛かるのを待っている。

『がっちゅーーー』って呼ばれたら、1,2,3で

一気に父ちゃんの元へダッシュだ!そして、オレは家に帰るのさ!」

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「ここを選んだ理由?

それはただ一つ。蕨川に捕まらないため。あいつに捕まったら、

ろくなことが起きないからな。ここにいれば、すぐ逃げられる。

時には、ここの奥のレントゲン室にいることもある。

レントゲン室にいるときは、父ちゃんの声が聞こえづらいから、少し反応が遅くなるんだ。

だから、ここがオレ様的にはベストだと思っている。」

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「おっ!そろそろ父ちゃんが一階に降りてくる時間だ。

オレは今日もここで待つ。

さぁ!父ちゃん!オレはいつでも帰る準備はOKだ!

早くオレの名を呼んでくれーーー!!!!!」